最近、私の周辺では個人で利用しているパソコンの不調を訴える人が増えているように感じる。だからといってすぐに買い替えるということにはつながっていないようだ。スマホの機能や性能が上がっているので、そちらの利用度が格段に上がっているのだろう。スマホは手には収まりきらないくらい大きくなり、高額になっている。
5年前まで、私は大学のゼミで学生の卒業研究の指導をしていた。情報系の学部だったので、学生は1年生のときにパソコンを購入し、4年生まで使い続けるのが普通だった。コロナ前だったので現在ほど激しい使い方はしていなかったと思う。それでも、卒業研究の途中でパソコンが不調となることはしばしばあった。卒業間近であれば大学のものを借りて研究を終了させていた。そのようなこともあり、当時は「パソコンの寿命は4年」と認識していた。しかし、私自身がそれを覆す経験をしていた。この3年半の間に3台のパソコンを購入していたのだ。そのうちの1台は1年で不調になり、まもなく全く動かなくなった。それにより不安を感じ、次の1台をメインの利用とし、残りの1台は予備としている。
ここまでの話は、常時メンテナンスが行われている企業、組織のことではなく、個人事業主や学生や家庭での利用に関するものである。しかし、最近は、小中学校で全員に配布されたタブレットが不具合を起こしているというニュースが目に付くようになった。やっと一人一台が実現されたのにもう不具合か、と言いたくなるが、私のこの4年間の状況を見れば、ありうる事態である。その原因として一つ挙げられているのが、猛暑の夏休みに学校がまとめて保管していた際の保管状況がある。そしてもう一つ、バッテリーの寿命の問題も言われている。まさに、私のケースとそっくりではないか。
バッテリーについては、まさに1年で使えなくなったパソコンの問題そのものである。動かなくなって初めて、バッテリーの充電に対する細かな注意書きがあることに気づいた。保証期間が過ぎてすぐの不具合でもあり、安い海外製品だったのであきらめるしかなかった。猛暑の時期に起こる「熱暴走」についてはそれ以前に購入したパソコンの不具合から気づいていた。2台のパソコン(日本のメーカーの高額の物)が真夏に暴走し、結局、OSをWindowsからUbuntu(LINUX)に入れ替えて使えるようになったものの、他にも様々な不具合や使いづらさがあって、物置に眠っている。その後の購入品の熱対策はしっかり行っている。
(ネットの情報では)ノートパソコンのバッテリーの寿命は3年と言われている。2年半前に購入したパソコンが仕事の主体になっているのでそろそろ気を付けなければならない。その不安を裏書きするように、このパソコンはキーボードの下部がふくらんで全体的にゆがんできた。バッテリーの膨張か。全てのデータはバックアップが取られているので、もう一台のパソコンで仕事の継続は可能である。その時のための準備はもうできている。
パソコンなどの電子機器は買ってからの付き合い方が重要であると改めて認識している。学校で配布されたタブレットの不具合は教育に大きな影響を与えるので見過ごせない。文部科学省はデジタル化の推進に十分なメンテナンス体制を含めてほしい。
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所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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パソコンの寿命は短くなっているのか
2024.4.28