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愛されキャラに変われるか


2023.12.3


イメージ写真

 我が家には動物のぬいぐるみが沢山ある。いつもパソコンに向かっている部屋で目に入るものだけでも、柴犬が3匹、パンダ、ゾウ、ライオンが各1匹、シマエナガが1羽いる。最後に我が家に来たのはシマエナガである。本屋でシマエナガの写真集を見て、その可愛らしさに胸を打たれ、ネットで最も似ていそうなものを購入したのである。ただし、本物は一度も見たことは無い。

 シマエナガのぬいぐるみが届いたときには少しがっかりした。写真の方がずっと可愛い。その後、機会があればぬいぐるみを見て回ったが、どれも写真を超えられていなかった。可愛らしさはぬいぐるみの体形や顔立ち(?)によるものではないと思う。例えば柴犬のぬいぐるみは、かなりリアルなもの、デフォルメされたもの、その中間と様々あるが、いずれも可愛い。考えられるのは大きさではないだろうか。つまり、本物よりも小さいゆえに可愛いと感じるのではないか。なぜなら、シマエナガのぬいぐるみはどこで見たものも(私が想像している)本物よりも大きい。一方で、パンダもゾウもライオンも、ぬいぐるみの方が本物よりもかなり小さい。以前、水族館の土産物店で見かけたジンベイザメのぬいぐるみがあまりに可愛くてつい買いたくなって手を伸ばしかけた。結局、荷物になるので諦めた。

 話は変わるが、テレビの番組で健康に良いウォーキングの方法について説明していた。その中で、大股で歩くときの歩幅の基準として「横断歩道の線の幅」が示された。つまり、白い線だけを踏むように歩くということである。早速、ウォーキングのときにやってみた。最初の3歩くらいはできるのだが、4歩目になると次の線に足が届かない。どんなにがんばっても無理なのだ。明らかに私の脚は短い。テレビでは成人男性が大股で歩いていたのを思い出した。何だか取り残されたようでがっかりした。

 かつて、私は成人女性の平均的な体格であると思っていた。ところが、下の世代の体格がどんどん良くなり、一方で私はどんどん小さくなった。身長はどう見ても3cmは縮んでいるし、体重に至っては15sも減っている。平均的成人女性は小さなお婆さんになってしまったのだ。そう言えば、ある会合で初めてリアルに面会した人から、「もっと大きい人を想像していましたが、小さい方なんですね」と言われて驚いた。確かに、パソコンやスマホの画面に上半身しか映らずに会話していたのでは体格は分からない。まして、自分のことは全く分からない。電車の中でつり革につかまるのがつらいと感じるくらいである。

 ここで最初の話題に戻る。世の中には小さいゆえに愛されるものがあるではないか。ゾウだって、カバだって、キリンだって、ゴリラだって、トラやライオンだって、本物には圧倒されるが、ぬいぐるみはかなり大きくても可愛い。今でもクジラやジンベイザメのぬいぐるみが欲しいと思っている。ここは、小さいことを活かして「愛されキャラ」に変わるのはどうだろうか。しゃべり方や話題を変える必要などない。私自身の小さくなった体形だけで愛されるようになればそれに越したことは無いではないか。

 何だか無性に動物園に行きたくなった。また可愛いぬいぐるみを買ってしまいそうだ。

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