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技術が助けとなることを実感する日々


2023.5.07


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 大学の新学期が始まる4月、新しいPCを購入した。Windows11のタブレットPCである。私の家には動くPCが6台(Windows10/11が3台、Ubuntuが3台)あることはこのコラムでも何度か取り上げてきたが、なぜまた増やす必要があったのか。理由の一つは、PCを持ち歩くのが重いと感じるようになったこと、もう一つはWindows10の1台が起動しなくなったことである。その結果として、私は仕事と勉強の新しい環境を手に入れた。

 大学の授業で使うのにはプロジェクタなどの機器と安定的につながる必要があるが、USB(タイプC)−HDMI変換ケーブルを使えばたちまちできた。さらにUSB(タイプC)で充電しながら授業できるように、USB(タイプA)−HDMI変換ケーブルも使えるように設定した。大学に通うのが著しく楽になった。何よりメリットが感じられたのは、家では教材づくりをこれまでのPC(Windows11)で行うことでデータはOneDriveにアップロードされ、それをタブレットPCからどこからでも参照できることである。クラウドのありがたみをしみじみ感じた。

 語学の勉強にもタブレットの恩恵を受けられるようになっている。持っている語学学習の大量の音源を自宅のPC(Windows11)に載せることで、ネットワーク環境さえあればいつでもタブレットPCから聴けるようになった。私のスマホにはテザリング機能があるので、イヤホンも一緒に持ち歩けばどこでも勉強は可能である。あとはやる気の問題だ。

 最近話題の対話型AIを時々使ってみる。概ね、私の知っている一般論で回答してくるので面白くないな、と思っていた。先日、私が以前学生に出したレポート課題をAIに出してみた。これは、ある前提の下である施策がどこにどういう理由で有効か、と問うものである。それについて検索しても答は見つからないので、学生自身の意見を求める問題だった。案の定、AIの回答は(学生の大半が答えたように)前提の部分を無視し、ある施策の意味のみを述べたものになっていた。AIが自分の意見を言うわけがないので当然だろう。しかし、それであってもAIにお伺いを立てて役に立ったことがあった。

 UbuntuはLinuxの一種であり、オープンに使えるOSであるが、何かしたいと思ったら、大抵の場合、オープンに提供されているプログラムを見つけ出してそれを組み込まなければならない。我が家の3台のUbuntuマシンは、元々Windowsが搭載されていたものだが、不具合で動かなくなり、Ubuntuに入れ替えて何とか動くようにしたものである。使い道が限定されていて活躍の場が殆どない。そのうちの最もハードが安定しているものに新たな仕事をさせることを思いついた。そのためのプログラムの組み込み方法を数時間かけて調べ上げたが、最後になって不安が残った。これをすることは合法だろうか。悩んで対話型AIに聞いてみた。非常に丁寧な回答が返ってきた。私が数時間かけて調べた「しようとしたことの意味」が分かりやすくまとめられており、最後に、違法なので止めるべきとのことだった。代替案が示されたが、Ubuntu対応ではなかったので残念ながら役に立たなかった。完ぺきではないにせよ、よい知恵袋であることは確かである。うまく付き合っていきたい。

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