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変化の春は悲喜こもごも


2023.3.26


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 道を歩けば、鮮やかな赤紫色のモクレンの花が目に飛び込む。白いコブシの花も多く見られる。春を彩るのは梅や桜だけではない。桜が終わればハナミズキだ。年々、春の散歩道はカラフルさが増していく。池や沼から水鳥たちが姿を消していく一方で、叢から黄色い嘴のムクドリが現れる。集団だとうるさいが見れば可愛い。ヒヨドリもあちこちで鳴いている。

 昨年のIT関連の話題の中心的存在はメタバースだったが、今年はチャットGPTに代表される対話AIに変わってしまった。大学の講義テキストも書き換える必要がありそうである。科学技術の分野では変化が特に激しい印象があるが、私はもう少し長期的な変化に関心を持っている。きっかけは、「知の創造(1,2,3)」(徳間書店[1999〜2001])を中古書店で入手して読み始めたことにある。これらの本は2000年頃のネイチャー誌に掲載された『最新の』科学技術の話題を解説したものである。その成果はまだ確定した段階にはないものが多く、いずれ社会が大きく変わることへの期待が述べられている。その時点から20年以上が経った現在、果たして研究はどう進み、現代にどういう影響を与えているのだろうか。それをネットで検索して調べるのだ。ワクワクする。

 結論から言えば、当時の研究成果が期待通りに進展して我々の生活に大きくかかわっているわけではない。つまり、当時課題として残っていた部分はまだ解決していないことが多い。勿論、研究は進められていて、多くの成果が得られているのだろうが、世の中を変えるという段階には至っていないようだ。この情報流通の進展と情報機器の進歩の時代にあっても、研究開発は数十年単位の地道な努力は欠かせないのだ。一生かけて何かを追究するという言葉はまだ生きている。改めて研究者に対して尊敬の念を抱かざるをえない。まだまだ長生きして成果を見届けたいという気持ちが湧いてくる。

 楽しめない変化ももちろんある。昨年来、いつも購入していた格安の食品がどんどん値上がりしていた。それよりも安いものがないのでしかたなく購入を続けていたが、今年になって、それらが売り場から姿を消すようになった。しかたなく別のブランドのものに変えることになる。もちろん出費は増える一方である。それでも、電気料金が昨年よりかなり下がっているので救われる。食料品の出費増大を助けるには至っていないとは思うが。

 最後に個人的な話題を二つ紹介する。先ほど挙げた電気料金が減っていることであるが、減り方が予想よりかなり多いのが不思議だった。特に節電に努めているわけではない。原因は1月に電子レンジが壊れたことではないか。その際、本当に必要なものか考えてみた。湯せんとクッキングヒーターのグリル機能があれば代替できそうだ、ということで電子レンジの利用を止めた。今思いつく理由はこれしかない。

 いよいよマスクから解放されそうである。街を歩く人もノーマスクが増えてきた。私も時々ではあるが外している。そろそろ化粧も再開しなければなるまい。ということで改めて鏡で自分の顔を眺めてみたが・・・・。3年間の変化は大きかった。もはやホラーだ。こんな変化はもう沢山である。

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