一瞬道を間違えたかと思った。5種類ある散歩ルートの一つを2週間ぶりに歩いてみたら、あるはずのないスーパーが現れたからである。ぐるりと一回りしてみると、壁に文字を消した跡が見えた。そういえばここには確かにスーパーがあった。いつの間にか別のスーパーに変わってしまったのだ。この業界がかなり厳しいのは確かのようだ。
そういえば、散歩をしていて店舗の変化に気づくことは多い。かつては石窯で焼くパン屋さんが3か所もあったのだが、短期間のうちに2か所が閉店した。カフェがあっという間に飲み屋さんに変わった。いずれも立地の良いところだからだろうか、閉店してもすぐに別のカテゴリの店舗に変わり、結構お客が入っている。
最近目立つのはキッチンカーである。休日に広場のあるところを通りかかると何かしらイベントをやっていて、そこには椅子とテーブルが並べられ、何台ものキッチンカーが取り囲むように止まっている。同じキッチンカーをいくつもの場所で見かけることもあり、流行っていると想像する一方で、平日はどこで営業しているのだろうかと心配になったりもする。飲食業がかなり変化しているのは確かなようだ。一方でしたたかさも感じられる。
最近のニュースで気になるのは、ツイッター社を始めとする米国の大手IT企業の大量の人員削減である。メディアでは過酷なリストラ策のように報道しているが、私自身はあまりそのようには思わない。そもそも、この2、3年で大手IT企業は優秀な技術者を中心に多くの人材を吸い込んできた。吸い込み過ぎたので吐き出し始めたということではないのか。IT業界では優秀な人材が不足しているので、吐き出された人材は引く手あまただろう。つまり人材の流動化が進むということで、業界としては有難いと思う。
もう一つ私が気になったニュースは、就職試験のためのWeb型適性検査の替え玉受験である。これが就活生の間では決して珍しい話ではなく、信号無視程度の感覚で行われていると知ってびっくりした。モラルの問題なのか仕組みの問題なのか悩ましい。企業としては仕組みで対処するしかないだろう。同じことは大学の試験やレポートでも言える。リモートでの授業が当たり前になった現在では、大学の授業もビジネス界に近づいている。つまり他者の力(ネットの情報を含む)を借りてでも(いやむしろ積極的に借りて)、早く課題の解決にたどり着ければ良いという考え方である。であれば、評価する側が、学生の本当の知識、考える能力を見極められる課題を与えられるようにするしかないのではないか。
実は、私自身は変化を躊躇してしまうことが度々ある。例えば、匂いに敏感過ぎるため、洗濯洗剤、ボディーシャンプー、シャンプーは今使っているものしか使えない。テレビで見たカーテンが欲しくてたまらなくなったが、リビング全体の模様替えをしなければならないと気づき、似たような柄の暖簾を下げることで手を打ってしまった。本当に小心者だ。
変化の激しい時代にあって人生100年時代を生き延びるためには、それに追随していく努力をする必要がある。逆に、現状に満足して変えないことによって、本来持っている様々な能力が退化してしまう可能性がある。変化に飛び込む勇気を持ちたい。
自分の信念に従って行動する「高い志を持つ、市場価値の高い技術者」を育成します。
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コンサルティングと研修のサービスを提供します。
所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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変化を厭わない時代を生きる
2022.11.27