もしもアラジンのランプが手に入って3つの願いが叶うとしたら、と考えることがある。@120歳まで長生きする A死ぬまで自立して行動できる B死ぬまで脳の働きを維持できる と言うのが現在の私の個人的な3つの願いである。@とAに関しては全く不可能とは言えないと思っている。もちろん医学や工学のさらなる発展あってのことだが。Bに関しては自信がない。私が死ぬまでに脳科学が進展して脳の仕組みがどこまで明らかになるのか全く不明だからである。ここは自分の力で何とかしなければならない。
大型書店に行ってみると「脳トレ本」が健康本のコーナーのかなり大きなスペースを占めている。多くの高齢者が手を出すのだろう。かく言う私もかつて数独(ナンプレ)にはまっていたことがある。効果のほどは分からないがもう一度チャレンジしてみるか、と「超難問」と書かれたナンプレの本(300問)を1冊購入してみた。再度はまってしまい、現在250問まで終了している。200問を過ぎたところで2冊目を購入済である。
暇な高齢者であるので、ついつい長時間やってしまう。ある日気づいたのだが、途中で行き詰ってしまい投げ出したくなったとき、一旦止めて時間をおいてやってみるとすんなりと解決するのである。何のことは無い。答えを導き出せないのではなく、集中力を欠いてしまっていて、存在するもの(正解やミス)を見つけられないだけだったのだ。脳の働きの一部の訓練であることは確かなのだが、これだけで脳が鍛えられるとは思えない。
もう一つ私がはまっているのが、動かなくなったパソコンを動かすことである。前回も書いたように、私は6台のパソコンを手元に置いて、仕事のパートナー、家族として扱っているのだが、そのうち3台はかつて壊れて全く使えなくなったものである。その後何とか修復したものの非常に動きが不安定で、仕事には使えない。電子機器は中身が全く分からないブラックボックスのようなもので、起こる事象に再現性のないことも多く、素人には手に負えないしろものである。そこを観察力、分析力、推理力を駆使して何とか原因に肉薄し、解決に導く。まるで推理小説の主人公(刑事や探偵)になったような気分になる。これはひょっとしたら素晴らしい脳トレなのではないか。
パソコンの場合、ハードウエア面ではある程度共通性があるので、不具合の状況と対処方法を検索して原因が分かることも多く、それなりに対処ができる。しかし、ソフトウエアに関係しているところは、同じWindowsでも機種によってもバージョンによっても様々な点で異なる。検索した結果は単なる事例としか言えないので、自分で確かめてみるしかない。つまり、ボタン押下、データ入力など外部からの刺激を与えてその結果起きた現象を記録し、そこから原因についての仮説を立てるのである。大抵の場合、現象に再現性がなく仮説は崩れる。再現性があっても原因を確定するまでの証拠は見つからない。まずは「原因は分からないがこうすればここまでは動かせる」に止まる。それでも別のことを試せば明日には原因が分かるかもしれない、と続けると比較的安定的に使える様にはなる。解決はその先だ。
ナンプレとパソコン修復だけでは脳を鍛えるにはまだ足りない。探し続けよう。
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コンサルティングと研修のサービスを提供します。
所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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脳を鍛えるための方法
2022.03.13