一人で仕事している私にはなくてはならない助っ人たちがいる。人というより機械といったほうがいいのだろうが、毎日、各々に声をかけながら暮らしているので家族みたいなものである。この2年弱の間に、この家族にも大きな変化があった。2年前には3人(台)だったのに現在はなんと6人(台)もいる。家族=パソコンたちの話をしたい。
そもそもこんなに家族が増えたのは、3台のうちの2台のノートパソコンが暴走を始めた1年半前がきっかけだった。大学の授業に差しつかえるのですぐに新しいノートパソコン(新人くん)を購入した。その後色々あって、暴走パソコンは2台ともOSをWindowsからUbuntu(Linux)に入れ替えて何とか使えるようにした。しかし、悲劇は起こった。昨年度後期の授業が始まる直前になって新人くんが突然起動しなくなったのである。慌ててもう一台ノートパソコンを購入し、何とか授業に間に合わせた。ここでパソコンは5台に増えてしまった。ちなみに新人くんが起動しなくなったのはバッテリーが壊れたせいで、これは致命的だった。暑さの中で働かせすぎたのだ。
それから半年経った現在、仕事に使えるくらいまともに動くのは、最新のノート、Ubuntuにしたノートのうち1台と一番古いデスクトップだけである。これではなんとなく不安である。そんなとき机の下に古いノートパソコンがあるのを思い出した。亡き夫が7年前まで使っていたものである。夫が亡くなった直後キーボードが使えないことが分かり、いつか処分するつもりでいたのである。これを何とか蘇らせられないだろうか。
外付けキーボードをつないでうろおぼえのパスワードを入れたところ何と起動した。しかしそこからが大変だった。まずネットにつながらない。ずっとWindows 10(Windows 11)に慣れきっていたのでWindows 8.1の機能が分からず、どうやったら設定が変えられるのかも見当がつかない。ありとあらゆる手段を講じて数時間後、曲がりなりにもネットにつないで基本的な仕事ができるところまでこぎつけた。残念ながらPowerPointが入っていないのは想定外だったが、Web版が使えそうなので何とかなりそうである。
その後、3日にわたってWindows 10へのバージョンアップを試みたが(古いアプリが原因か)最後の最後でエラーになり、力尽きた。そのうちにWindows 8.1の使い方にも慣れてきたし、7年分のアップデートもできたので、これはこれでいいかと思っている。仕事をする上で有難いのは、OneDriveを使って他のパソコンとファイルを共有できることである。
後になって気づいたのだが、夫のパソコンはバッテリーが壊れていて充電ができない。つまり常時電源につないでいないと使えないということである。外には持ち出さないつもりなのでそれは我慢することにしよう。そういえばバッテリーが壊れた新人くんは、突然起動したり丸一日電源が入らなかったりと全く制御不能の状態だったのだが、完全に放電して使うときだけ電源につなぐようにしたら、何とか使えるようになってきた。ただし、いつ落ちるか分からないので薄氷を踏む思いで使っている。
パソコンたちは「私はまだ生きている」と言っている。最後の最後まで処分はしないよ。
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コンサルティングと研修のサービスを提供します。
所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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(続)私たちはまだ生きている
2022.03.06