先日、テレビで「ソロキャンプ」が紹介されていた。私自身、キャンプの経験は全くない。テントで寝たことも、寝袋に入ったこともない。ましてたった一人で真夜中にテントで寝るなんてとてもできそうにない。でも、ソロキャンプの映像を見てキャンパーたちの話を聞くと、なぜそれに多くの人が惹かれるのかよくわかる。一人で行動することで自由が実感できるからなのだ。それは私が大好きな「一人旅」と全く同じである。
就職して間もない50年近く前のお盆休みに伊豆七島のいくつかの島を巡った。これが私の最初の本格的な一人旅である。各島に渡るための船とその島の民宿を予約しただけで、後は全くの自由行動だった。ひたすら歩いて、真っ黒に日焼けして東京に戻った。その後も、結婚するまでに何度か一人旅をした。いずれも、宿とそこまでの交通手段を手配するだけだった。全てに慎重な私であるから、危険な場所には行かなかったし、実際に危険なことに遭遇したことはない。楽しかった思い出は沢山ある。
結婚し、仕事も忙しくなってからは、旅行と言えば家族旅行、海外視察などの団体旅行、そして仕事のための出張が主体になり、50代までは一人旅は殆どなかった。それが再開したのは、子供たちが独立し、役職定年になってゆとりが出た50代半ばからである。まずは学会発表のための海外旅行、年齢が上がるにつれて国内旅行に移っていった。
旅行したい地域を決めた後に私がまずすることは、泊るところの確保である。それも方向音痴の私でも道に迷わないよう駅の近くが良い。自然と駅近のビジネスホテルになる。最近は朝食付きで大浴場などあるところが多いので嬉しい。次に、ホテルに行くためのルートを決めて列車の切符を購入する。指定券を取るのは最小限に止め、時間的な制約を減らす。最後にガイドブックなどで訪れたい場所の候補を決める。あくまでも候補であって、必ずしもそこに行くわけではない。最終的には、当日の天候、気分や疲労度合いで決まる。
必ずしも駅近のホテルが取れるわけではない。そのときも事前にGoogle Mapを検索してストリートビューで周辺を確認する。ただしこれは海外のときだけで国内の場合はしない。そのため道に迷うことはよくある。他にも、平行して走る別の路線に間違えて乗って、数キロ歩いて本来の駅にたどり着いたことがある。ようやく着いた駅で食べた海鮮丼の美味しかったことは忘れられない。思いついて途中下車した駅で、周りに殆ど何もなくてひたすら歩いただけのときもあった。でも、途中のコンビニでおにぎりとコーヒーを買って近くの誰もいない公園で食べた時、そのお米の美味しさに感動したこともよく覚えている。道に迷ったお陰でガイドブックに出ていない絶景の場所を見つけたこともある。
一人暮らしの私の場合、一人になりたいために旅行するわけではない。一人旅は、自分の意思で行動し、自分で問題を解決することが楽しいのだ。スケジュールが決まっている団体旅行、周りの人との協調が求められるグループ旅行との違いはそこにある。ソロキャンプも一旦は安全な場所を確保することとそこまで移動することが前提で、後は自分の意思と、自己責任での問題解決があることは同じである。つまり、自由とはそういうことなのだ。
自分の信念に従って行動する「高い志を持つ、市場価値の高い技術者」を育成します。
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コンサルティングと研修のサービスを提供します。
所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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一人旅で実感できる自由の喜び
2021.11.28