夏休みは終わった。子供のころから早め早めにスケジュールをこなすタイプだったので、夏休みが終わるギリギリになるまで宿題をしないでいるなどということはなかったと思う。しかし、高齢者になると変わってきた。この夏は、旅行に行くことも無く引きこもっているだけだと分かっていたので、やるべきことを決めてそれだけは済ませようと思ったのだが、暑さや天候や先送りの理由を見つけてずるずると8月末を迎えてしまった。そしてついに、最後の宿題を月末ぎりぎりに終わらせた。マイナンバーカードの電子証明書の更新である。
5年前に作成したマイナンバーカードの期限切れまではあと5年ある。しかし、同時に設定した電子証明書の期限は8月の誕生日で切れた。期限切れについては今年の確定申告(e-Taxで行っている)のときから意識していたし、市役所からの通知も来ていた。だから7月には更新しようと決めていたのだが、それがずるずると延びてしまったのである。市役所の本庁まで出向くことが面倒だったというのが大きな理由ではあるのだが。炎天下、市役所に行ってびっくりした。庁舎が跡形もなく消えていて公園になっている。その先に新しい建物が2つある。新庁舎らしい。汗だくになりながら建物の中に入ったら、すぐに総合窓口があり、電子証明の更新を伝えたら受付番号を書いた紙を渡され、窓口を案内された。結局、30分で手続きは完了した。ようやく夏休みの宿題は終わった。
さて、秋になって新たな宿題を自分に課することにした。きっかけは、単純だと思われるかもしれないがパラリンピックである。競技をリアルタイムで見ていたわけではないが、ニュースでアスリートの活躍を見るにつれ、自分はできないことばかりを探しているのではないか、と改めて気づいたのである。4年前に腰を痛めてから飛び跳ねたり走ったりすることができなくなった、血圧対策で味のないものしか食べられなくなった、コロナのせいで旅行に行けなくなった、孫に会えなくなった、もろもろの「できなくなった」を見つけてはため息をつく。しかし、自然の理に従えば、できないことは増えていくに決まっている。死ぬまでこんなことを繰り返すなんて耐えられない。であれば、できることを探し、それを強化することに賭けてみたほうが良いではないか。
走れなくなったのは確かだが、歩くことなら十分できる。いや、走るのだって若い人にはかなわないけれど、4年前と比べれば少しずつできてきている。味気ないものばかりとはいえ自分の歯で噛んでいる。幸い私と子供たちはワクチン接種が済んでいるので、大人数で集まれなくても短時間なら個別に会うことはできるようになった。リアルな旅はできなくてもテレビでは沢山の旅番組をやっていて結構楽しめる。「コロナが収束したら行きたいところ」リストはどんどん長くなる。できることを見つけるのはすぐにでも取り掛かろう。
さて次は、できることを強化することだ。歩くスピードを上げることを手始めに、塩分、糖分、脂肪を抑えても美味しいと思える味付けを工夫することもやってみよう。でもこれだけではあまりに小さな一歩だ。もっと大きな目標を作らないと怠けてしまいそうだ。ちょっとハードな旅行先探し、難しい本を読むことへの挑戦など、秋の宿題としたい。
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所長:石田厚子 技術士(情報工学部門)博士(工学)
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できることを見つけて強化するぞ
2021.09.05